2016年12月30日金曜日

幸せは、温とい焼き餅の中に





今日は晦日、12月30日です。
帰省ラッシュはピークのようで、新幹線や高速道路は大混雑。スーパーマーケットの食品売り場もごった返していました。世の中はお正月の準備に大わらわですね。
武田神社前の「かぶとや」さんでも、お正月の準備はバッチリ整っていました。お正月だけの人気商品は、なんといっても焼き餅。ほどよい甘さのこし餡が入ったまん丸なお餅を鉄板の上で押し焼きします。表面はカリカリ香ばしく、中はもっちり、あつあつです。



アルバイトの大学生くんが爽やかな笑顔でお餅を焼いてくれます。焼き餅ボーイの故郷は岐阜。今年は帰省しないんですって。彼のお母さんは、さぞ寂しいだろうなあ。



武田神社の初詣客は例年15万人といわれています。参道は人、人、人で埋め尽くされ、お堀に沿って約70店もの露店が立ち並びます。寒さの中、混雑の中の参拝。そのあとに味わうい焼き餅の温もりは、きっと体にしみることでしょう。1個100円という手軽さも嬉しい。
新しい年の始まりは、ほっこり和む焼き餅で福を呼び込んでください。幸せな一年を予感させる美味しさです。




来年は金運アップまちがいなし!



昇仙峡ロープウェイ乗り場の前を通り過ぎ、さらに車で5分ほど進むと見えてくる鮮やかな朱色の鳥居。山梨有数のパワースポットとしても知られる金櫻神社です。
大晦日に行われる年越しの大祓(おおはらい)。祓い串と呼ばれるお札を体に触れさせて災いを拭い、清めた心身で新しい年を迎えるという神事です。大晦日にこのお札を焚き上げるのでしょうね。参拝すれば誰でも気軽にできるよう準備が整っていました。
新たな年が幸せで満ち溢れますように、というわけでさっそく私も…。



社殿の左奥に「金のなる木」とうたわれる御神木「鬱金(うこん)の桜」があり、じつはこの神社、金運上昇のありがたいご利益があることでも有名なんです。本当は花の季節がご利益のパワーも増大するそうなので、桜の時期にもう一度来てみようかな。ゴールデンウィークのあたりだと思います。



さて、境内では初詣の準備が着々と進められていました。金峰山をご神体とする金櫻神社の歴史は古く、地域の人々の氏神様として信仰を集めてきました。お正月の三が日は初詣客でにぎわいます。
新しい年の幕開けまで、もう本当に秒読み段階になってしまいましたね。真っ白に雪化粧した富士山が季節の移ろいを教えてくれるように美しく見えていました。






2016年12月26日月曜日

「おやかたさま」は「お館様」と書く



「おやかたさま」という言葉は、大河ドラマなどでよく耳にしていました。けれど、文字で見るのは初めて。「親方様」ではなく「お館様」。なるほど一国一城の主ということですね。「殿」と呼ぶより、情のこもった温かい言い方ですよね。
甲州きってのお館様といえば、もちろん武田信玄。というわけで「信玄館」さんには山梨の地酒「お館様」がずらりと並んでおりました。さらりとした飲み口に純米特有のコクがしっかりと感じられる「お館様」は、八ヶ岳の麓で酒造りをする八巻酒造店さん自慢の逸品。お正月のお屠蘇にもぴったりです。
それにしても「信玄館」に「お館様」。出会うべくして出会ったお店とお酒。運命すら感じます。



そして年越しそば。除夜の鐘を聞きながらいただくのは、長寿延命にちなんで細く長いそばになったといわれています。「信玄館」さんのおすすめは自然薯を練り込んだそば。この時期だけの販売だそうです。ご近所におすそ分けすると言ってたくさん買っていくお客様もいるんだとか。もちろん美味しいから売れるのだろうけれど、ゲン担ぎにもなっている気がします。だって細く長いだけじゃなく、自然薯の粘りも加わった年越しそばって最強じゃないですか。これを食べれば来年は安泰だ。



2016年12月24日土曜日

サンタが町にやってくる



今夜はクリスマス・イヴ。ご家族や恋人へ、こんなサプライズプレゼントもアリではないかと思い立って、行ってきました。甲府盆地の夜景です。すごくきれいでしょ。
ここは山梨の夜景スポットとして5本の指に入る名所、白山峠展望台。昇仙峡から下りてきて湯村温泉に向かう途中の、山の中腹に設えられた小さな展望台です。看板も何も出ていないのでうっかりすると通り過ぎてしまいます。
都会の夜景と大きく違うのは、立体的じゃないってことでしょうか。高層ビルがほとんどないので夜景も平面的。光の海がどこまでも広がっているように見えます。人々の暮らしがそこにあることを感じさせてくれる温かい夜景。サンタクロースはこの光を目指し、良い子のもとへやってくるのですね。鈴の音が聞こえてきそう。
もちろん昼間の眺めも最高。富士山を従えた甲府盆地のパノラマはガイドブックなどでもお馴染みですが、この白山峠から撮影された写真も少なくないはずです。
湯村温泉郷「湯村ホテルhttp://www.yumura-hotel.com」さんからは、車で10分くらいです。
この夜景を目にしたら、あなたはきっと山梨がもっと好きになることでしょう。
世界中の子供たちに、そして大人たちに。幸せな一夜が訪れますように。
メリークリスマス。



2016年12月22日木曜日

弾けてみよう、だってクリスマスだもの



クリスマスや年末年始のパーティーシーズンがやってきました。大切な家族や仲間がテーブルを囲んで過ごす楽しいひととき。乾杯は、やっぱりスパークリングワインですよね。栓を抜く景気のいい音やグラスの中でキラキラ光る気泡。パーティーを盛り上げるための洒落たディティールをスパークリングワインは持っている気がします。
日本のワインコンクールを総なめにする「白百合醸造」さんにも、もちろん美味しいスパークリングワインがありますよ。和食によく合う辛口の甲州、そして香り豊かな甘口の勝沼ナイアガラ。インターネットの通販でも人気があり、リピート率の高いワインだそうです。おせち料理と一緒にいただくのも、いいかもしれませんね。



自然を相手にするぶどう栽培、そしてワインづくり。一年のいとなみを終えたワイナリーは、ひっそりとした静寂の中にありました。今年も美味しいワインをありがとう。そんな気分になりました。また、来年。遊びに来ますね。






見たことないでしょ、こんなポインセチア



クリスマスを彩る真っ赤なポインセチア。ふつう私たちは鉢植えのものを花屋さんで買って飾ります。でもこれ、ちょっとびっくりですよ。高さ2メートルを超えるポインセチアの木。地植えにするとこんなに立派になるんですね。私も庭に植えてみたいと思ったのですが、もともとメキシコ原産の熱帯植物。日本で大きく育てるのは、ほぼ不可能みたいです。
この貴重なポインセチアに会えたのは「ハーブ庭園旅日記」さんの大温室。1500平米の温室の中にはたくさんの珍しい植物が栽培されていて、時間を忘れて楽しめます。



話題の観葉植物コウモリランはシダの仲間。コウモリが羽を広げた形に似ています。



本当に時計の形をしているトケイソウ。なんて繊細なつくりなんでしょう。



鈴なりになったレモン。爽やかなレモンイエローが清々しいです。



そして、ちょっと変わったシクラメンもきれいに咲きそろっていました。
これはほんの一部。全部で約250種の植物が、ここで大切に育てられています。
そしてクリスマスならではの、こんな素敵なツリーもありました。



私は思わず感謝してしまいましたよ。スタッフの皆さんが、丹精込めて育てている植物たちを無料で見ることができるなんて。
夕方からの、お庭のイルミネーションと合わせてぜひ訪れていただきたい、山梨の冬お勧めのスポットです。「ハーブ庭園旅日記」さんは、今まさにクリスマスムード最高潮。



2016年12月17日土曜日

ミニカーにして飾っておきたい



ブルドーザーにショベルカー。働く車は世の中にいろいろあるけど、これは初めて見ました。ぶどう畑で働くカラフルでかわいい農機具、グロースガン。かなりけたたましい音ととともに畑の中をあちこち移動しておりました。



先端に穴の空いているノズル状の杭を地中に打ち込み、圧縮した空気や肥料を土の中にぶち込んでいるのだそうです。つまり、土作りですね。
収穫を終えたぶどう畑で始まる大切な作業は、来年のぶどうのために良い土壌を作ることなんですね。この日訪ねた「浅間園」さんは、エコファーマー認定の果樹園。肥料は馬糞などの有機肥料を使い、土作りも入念です。
それにしても、最近の農機具はずいぶんおしゃれなデザインなんですね。一度でいいから乗ってみたい。



そしてこちらは小さなトラックの上半分を切ってしまったような作業車、ライガー。小回りはきくし、まるでおもちゃみたいでなんとも愛くるしい車です。



屋根がないので作業しやすいだろうし、低木やぶどう棚がある果樹園では車高が低い方が使いやすいのでしょうね。なるほど納得のフォルムです。
働く車たちがこうしてせっせと畑の整備をして、次の収穫への準備をしているのですね。来年の実りの季節がすでに待ち遠しくなりました。



ほうとうは甲州味噌ありきのソウルフード



山梨名物と言ったら、やっぱりほうとう。あなたはお好きですか?
かぼちゃをはじめ、たくさんの具と特徴のある太麺。そして味噌のスープがしみじみ美味しい郷土料理です。とくに寒い季節には、身も心も温まりますよね。
さて、先日お伺いした「御坂農園グレープハウス」さんでは、年の瀬恒例の公開味噌作りが行われていました。



大きな釜で茹でた大豆をミンチ状にし、粗熱をとります。お店のスタッフさんが総出で全部手作業。和気あいあいとした雰囲気で大仕事なのになんだか楽しそうでしたよ。





ほどよい温度になった大豆ミンチに水と塩、そして麹を混ぜ込みます。熱すぎても冷たすぎても醗酵がうまく始まらないそうです。いろいろとコツがあるんですね。
ほうとうに使われるのは、この甲州味噌。米麹と麦麹を半量ずつ合わせて作るのが特徴です。信州味噌などは米麹で作られるそうですが、山間部が多く稲作のできる土地が少なかった山梨では米を節約するため、半量を麦麹にしたと言われています。
まさに盆地の風土が生んだ味噌。でも、この味噌があってのほうとうなのです。



よく混ぜ合わせたら樽に仕込んで味噌蔵へ。3年寝かせたものは、こんなに風格が出て神々しい色合いになっていました。ちょっとつまみ食いをさせていただいたら、まろやかなのにガツンとした旨味のある「ああ、甲州味噌」っていう味でした。
「御坂農園グレープハウス」さんでは、お客様にお出しするお料理にこの味噌を使っています。お土産用の味噌もあるそうです。ぜひ一度、味わってみてくださいね。
味噌作りはやっぱり寒仕込みがいいそうです。醗酵がゆっくり進むほど、深い味わいの味噌ができるんですって。
お店は通年営業しています。お食事もできますので、ドライブの途中に立ち寄ってみてはいかがでしょう。



2016年12月12日月曜日

メジャーデビューした「おらが山」



ひと昔前は、町内会の「歩け歩け大会」でおなじみだった里山のハイキングコース。それが今では、全国的に有名なトレイルランニングのコースになっています。今回で8回目を迎える「武田の杜トレイルランニングレース」が500名の参加者を集めて開催されました。
トレイルランニングといえば、山道を歩く、のではなくカモシカのように走るスポーツですよね。持久力はもちろん、平坦な道ではないので瞬発力や反射神経も重要になってくるのではないでしょうか。ハードな競技です。
とはいえ、制限時間は6時間30分あるので、完走を目標にする初心者も多いのだとか。



30キロのコースは武田神社からスタートし、落ち葉を踏みしめる林の中や甲府盆地を一望する地点をめぐり、森林学習展示場までを駆け抜けます。静岡からご夫婦で参加された方は「景色が良くても、見ているのは足元だけです」とおっしゃっていましたけど。



レースが終わった武田神社前「かぶとや」さんには、お土産を買い求めるランナーの姿がちらほら。体に染み渡るような甘酒で疲れを癒していました。
都心から近く、駅からすぐの場所にあるのにかなり面白いコース。ランナーの間では、そんな評価を受けているのだそうです。まさに灯台下暗し。地元住民にはなかなか気づけない魅力が、山梨にはまだまだあるのかもしれません。
甘酒を飲みながら「来年もぜひ参加したい」と言ってくれたランナーがいました。武田の杜トレイルランニングレース、今後が楽しみです。



2016年12月11日日曜日

今日のランチはたぶん日本一



その名も「富士山噴火カツカレー」。噴火してます、福神漬けが。
キャッチーな見た目はもちろん、味もボリュームも大満足のこのメニューがいただけるのは、富士山五合目の「富士山みはらし」さん。雪化粧をした頂を眺めながら、富士山ランチを堪能しました。



そしてこちらのラーメンには、富士山のイラストがプリントされた海苔が添えられていてちょっとビックリ。思わずテンションの上がるサプライズメニューがいっぱいでした。
訪れる人を心から楽しませてくれる工夫。それがあちこちに感じられて、本当に温かいお店です。きっと外国のお客様も喜んでいるんじゃないかな。
そして、食べながら突拍子もないことを思ったのです。もしかしたら今、日本一標高の高いところでランチしているのは私かもしれない、なんて。



空は快晴。風もなく、穏やかな「富士山日和」。雪に閉ざされ、かたくなに人を拒む季節まで、まだ少し時間がありそうです。



2016年12月3日土曜日

枯露柿とあんぽ柿の違いを知っていますか



正直なところ、私は知らなかったのです。
水分がたくさん残っているうちにいただくのがあんぽ柿、粉が吹くまで乾燥させるのが枯露柿なんですって。
あんぽ柿、食べてみました。表面は乾いていますが中はとろりとしています。甘みは抜群。似たような食べ物は思い当たらないような食感。高級菓子と呼ばれるのもうなずける気がしました。言ってみればこれもドライフルーツの一種なんだろうけど、こんな半生タイプはほかにないですからね。



枯露柿やあんぽ柿は、御坂農園さんでも作られていました。早く乾燥させるための巨大な扇風機。回ってなかったけど、これに吹かれたら寒そうね。



そしてぶどう畑では、枝の剪定作業が行われていましたよ。今年伸びた新しい枝を残して古い余分な枝を切り落としていくのだそうです。
枝に残っていたのは「二番なり」の房。一連の作業に乗り遅れ、後からなったぶどうで、放置するしかないのだそうです。この哀愁を帯びた姿を見て思いました。手をかけないと立派なぶどうはできないんだな。
来年の美味しいぶどうのために、すでに準備が進められていいます。農家の方のご苦労を垣間見たひとときでした。




今どきの若い子たち



たとえるなら、入学式を目前に控えた先生の気分でしょうか。「今年はどんな子に会えるだろう」なんてワクワクしたりして。
今回は、新酒のワインのお話です。
山梨が誇るワイナリー、白百合醸造さんにも今年の新酒が個性豊かに揃いました。甘めのデラウェア、香りが特長のアジロン、辛口のベリーA、そして日本ワインの代名詞甲州。今年はどれも上々の仕上がりだそうです。
じつは今、この甲州をいただきながら書いているのですよ。



新酒の魅力はなんといってもそのフレッシュな味わい。濃厚とか、芳醇とか、深みとか、そういったものは熟成を極めた古酒にお任せして、新酒はとにかく気軽に楽しむのがいいらしい。荒削りな感じや弾けるような躍動感、若いワインにしか無いものを味わえばいいんですね。
「人間と同じですよ」とはオーナー談。なかなか深いお言葉です。
白百合醸造さんには樽の中でデビューを待つ新酒がたくさん眠っていました。3月くらいまで入手できるそうです。
http://www.shirayuriwine.com




2016年12月2日金曜日

誰かと手をつなぎたくなる魔法



いよいよクリスマスシーズン。
ハーブ庭園旅日記さんのクリスマスイルミネーション点灯式に行ってきました。
集まった小さな子どもたちのカウントダウンで、園内25万球の電球が一斉に点灯。大きな歓声に包まれました。
一瞬、夢でも見ているのかと思うほど、それはそれはロマンチックな光景です。あたりを駆け回る子どもたちも、ベンチに腰掛けて光の花を見上げる年配のご夫婦も、なんだかみんな幸せそうに見えました。



この壮大な電飾を手がけた職人さんにお話を伺ったところ、今年はほとんどがLED電球なのだそうです。LEDは色も豊富だし、あまり熱を持たないので樹木にも優しいとのことでした。何より驚いたのは、すべてをたった二人で取り付けたとのこと。2ヶ月以上かかったそうです。一斉に点灯した瞬間、感無量だったことでしょう。達成感でいっぱいだったに違いありません。いいお仕事ですね。



これからますます寒くなって、温もりが恋しくなる季節。思わす誰かと手をつなぎたくなるような魔法の国に、カップルはもちろん、ご家族でも行ってみてくださいね。
入園は無料。イルミネーションは今月25日まで、毎日9時まで楽しめまです。期間中、演奏会などのイベントも予定されています。ホームページをチェックしてみてください。
http://www.herb-teien.com



余談ですが、イルミネーションの写真って本当に難しい。実物は100倍素敵ですので、ぜひ実際に現地にてお確かめください。



2016年11月30日水曜日

華麗なる転身



甲州ぶどうを砂糖の衣で包んだ「月の雫」は、古くから山梨を代表するお菓子です。きっとご存知の方も多いでしょうね。この栄誉ある一粒に転身できるぶどうたちが、浅間園さんで収穫されていましたよ。
この時期にぶどう? って、とても驚いてしまったんですけど、浅間園さんのぶどう棚にはまだたくさんの房がぶら下がっていました。栽培方法にこだわって、少しでも長くお客様にぶどう狩りを楽しんでいただけるよう工夫しているのだそうです。
そういえば先日、山梨に雪が積もりました。その日にも来園者があり「雪の中でのぶどう狩りはさすがに初めて見ました」とスタッフさんも苦笑い。



この「月の雫」用ぶどうの収穫が終われば、山梨のぶどうシーズンは本当に終幕。フィナーレを飾っているのは、たぶん毎年ここ浅間園さんだと思います。
「月の雫」をいただきながら、たくさんの恵みと思い出をくれた山梨の秋を噛み締めました。