2016年10月29日土曜日

この道を秋が通り抜けていきます






恵林寺西側の街路樹が美しい紅葉のグラデーションを見せています。
天を仰いで真っ直ぐに立ち並ぶのはナラの木。境内の紅葉が見ごろになるのは11月の上旬ですが、例年なぜかここだけいち早く色づき始めます。牧丘方面から吹き下ろす冷たい山風が、この道を通るからでしょうか。
恵林寺周辺の秋はこのナラの木から始まると地元の方に教えていただきました。



このナラの木の紅葉を合図に、お向かいの信玄館さんでは、季節限定の栗あんをまとった「甲斐福餅」が販売されます。自家製の餅を栗あんで包んだ人気のお土産。店舗の奥にある工房で手作りしたものが、すぐに店頭に並びます。これをお目当てにやってくる観光客も多いのだとか。せっかくなので、ひとくち試食しました。つぶつぶの栗の食感が残る栗あんとやわらかいお餅。できたてって最高。

紅葉シーズンの到来とともにぶどうの収穫も終盤を迎えますが、ここ信玄館でしか手に入らないとっておきのぶどうを見つけました。
巨峰やゴルビーなど高級品種の「干し葡萄」。農家の主婦の皆さんが手間暇をかけ、なんと一粒ずつ手作りしているそうです。とてもやわらかく、みずみずしい!噛みしめるほどに凝縮された甘みが楽しめます。
生産量も限られているため、知る人ぞ知るいわば「幻の干し葡萄」。
この時期ならではの贅沢です。




車椅子でもぶどう狩りが楽しめるってすごい



山梨が「フルーツ王国」なら、その中心地である勝沼・一宮はさしずめ「フルーツ銀座」といったところでしょうか。眺望の良い小高い丘陵には、観光農園が軒を連ねます。
そんな中で異彩を放つのが浅間園さん。桃狩りやぶどう狩り、また野外でのバーベキューを車椅子の方にも楽しんでいただけるよう施設はすべてバリアフリーになっているのです。その存在はインターネットや口コミによって広く知られるところとなりました。



考えてみれば、ほんの小さな段差が障害となる車椅子の方々にとって、果樹園は訪れにくい場所。エントランスから土産物売り場、食事をする休憩所、畑、もちろんトイレに至るまで、その動線のどこにも段差がなくスムーズに移動ができるなんて本当にすごい。これは年配の方にも嬉しい仕様かもしれません。



これ、ちょっと自慢できる。自分だけのオリジナルワイン



白ワインの原料となる甲州ぶどうが、収穫の最盛期を迎えている御坂町。
甲州は陽の光にかざすと種が透けて見える唯一のぶどうなんです。きれいですね。
これは、先日お邪魔した御坂農園のオーナーさんに教えていただいたぶどう鑑賞法。知っているとなんだか得をした気分になれます。



たくさんのお客さんで賑わう御坂農園グレープハウスさんの裏手に可愛らしいワイナリーを発見。笛吹ワインさんです。
ここではなんと、ぶどうの収穫⇨足踏み⇨果汁の試飲⇨オリジナルラベル作成 という一連のワイン製造体験ができるのです。自作のラベルが貼られたワインを後日自宅へ届けてくれるという嬉しいシステム。しかも自分で踏んだぶどう果汁が、必ずそのワインの中に含まれるよう工夫して醸造してくれるのだそうです。これこそ本物の「おもてなしの心」だなあ、なんて感激してしまいました。一人様でも受け付けてくれます。
ちょうどこの日も東京からやってきたカップルが「なんだかいけないことをしているみたい」と言いながら、楽しそうにぶどうを踏んでいました。
きっと良い思い出になってくれますね。
笛吹ワインさんのワインづくり体験は11月いっぱい楽しめます。