2019年4月17日水曜日

桃の誕生秘話



桜の後を追うように開花する桃の花。甲府盆地では、標高の低いところから順に丘を駆け上がるようにピンク色の絨毯が広がっていきます。
盆地を見下ろす高台にある一宮町の「浅間園」さんでは、開花のピークを迎え、同時に受粉作業の真っ最中でした。白桃系の桃は花粉が少なく、人工授粉が欠かせないのだそうです。



まず、花粉の豊富な品種の花を摘み取ります。7分咲きくらいの開き加減のものが良いのだそうです。雄蕊の先端についている粒。この中に花粉があります。







摘み取った花を特殊な機械に入れ、花びらと花芯の部分に分けます。さらにこれをふるいにかけ、花粉の入った花粉嚢だけを取り出します。地道な作業です。









平板に並べ、機械に入れていちいち乾燥させると黄色み帯びた花粉ができます。これを毛ばたきのような用具につけて一花ずつ受粉させていくのですね。
毎年の気候や天候によって花の時期は微妙にずれてしまうもの。農作業はそれを見極めながら進めていく大変なお仕事ですね。花が咲いてきれいだなあ、なんて呑気にしている私たちには想像もつかないご苦労があるのです。
それも、これも、甘くてみずみずしい桃の果実を私たちに食べさせてくれるため。
今年もあの味に出会えるのが今から楽しみです。



2019年4月13日土曜日

おやゆび姫を探しに



子どもの頃、いちばん最初に覚えた花は何ですか?「チューリップ」と答える人、きっと多いと思います。私もその一人です。
そのせいでしょうか、チューリップを見ていると何だか童心に帰るよう。
「ハーブ庭園旅日記」さんでは、今年も5万株のチューリップが見頃を迎えています。







そして思い出すのが、アンデルセン童話の「おやゆび姫」。チューリップの花の中から生まれた小さな女の子の話です。あのお話は、どんな結末だったでしょう。気になって調べてみたら、花の国の王子様と結婚して幸せに暮らしましたとさ。ふっくらと丸みを帯びた可愛い花にふさわしい、やさしいお話です。
イギリスでは、チューリップを「妖精のゆりかご」と呼ぶそうです。アンデルセンもチューリップの花が揺れるのを見ながら「おやゆび姫」を発想したのでしょうね。



咲き競うチューリップの花の中におやゆび姫が眠っているかもしれません。
見頃は、4月の下旬まで。



2019年4月10日水曜日

春の絵本を開いてごらん



まるで絵本の中に迷い込んだような素敵な景色。桃と菜の花の小径です。





迷路のように作られた花のさんぽ道は、歩いていると菜の花の茂みから野ウサギが飛び出してきて道案内をしてくれる。思わずそんな空想をしてしまいそうな不思議な場所です。
絶好のSNS映えスポットであることは間違いなし。小さな子どもたちも楽しそうにはしゃいで走り回っていましたよ。
青い空、ピンクの桃の花、そして黄色い菜の花のコントラストはまさに春の象徴。



ここは「御坂農園グレープハウス」さんに春だけ出現するお花畑エリア。不思議の国の黄色いポストに投函した手紙は、大事な人にちゃんと届きます。



2019年4月8日月曜日

春の贅沢



見上げれば満開の桜。そして見下ろせば光の海。こんなお花見はいかがでしょうか。
ここは昇仙峡にほど近い「武田の杜」。トレイルランニングのコースで有名です。お花見スポットとしてはちょっと穴場なので、地元の人以外はあまり行かないかもしれません。
期間限定のライトアップは、街中から見上げると山の頂上が白くぼんやりと浮かび上がり、「あ、今年も始まったな」なんて思うのです。
ブルーシートを敷いてお酒を楽しむお花見ではなく、幻想的な春の夜を静かに楽しみたい人におすすめのとっておきの場所です。









ログハウス風のサービスセンターでは、温かい甘酒の振る舞いも。まだ少し冷たい夜風に染み入るような温もりでした。