2017年3月23日木曜日

べっぴんさん、いまむかし



山梨のひなまつりは4月3日です。桃の産地ですから桃の節句は桃の花が咲く頃に、つまり旧暦でやるのです。
今日訪ねたのは中央線塩山駅前のにある甘草屋敷。ここは、江戸時代に幕府の命を受けて、薬草である「甘草」を栽培していた名主のお屋敷です。



重要文化財にも指定されているこの立派な建物は約200年前に建てられたものだそうです。ちょっと唖然とするほどの重厚感が漂う佇まいでした。
甲州市では、毎年この甘草屋敷をメイン会場として「ひな飾りと桃の花まつり」というイベントを開催しています。



市内各所にお雛様を飾り、観光客に春の桃源郷を楽しんでもらうのためのお祭りです。
甘草屋敷には5千体を超える雛人形や吊るし雛が所狭しと飾られていて、中には300年前のお雛様もありました。



享保年間に流行したスタイルのお雛様だそうです。男雛の着物の裾から足が見えています。おもしろいですね。ふっくらとした輪郭に切れ長の目。このお顔立ちが300年前の美人なら、私は300年前に生まれたかった。
たくさんのお雛様は、流行の変遷を感じられるよう時代ごとに配置されていました。



頭上から吊り下げられているたくさんの吊るし雛は古いものではなく、地元の愛好家の手による作品だそうです。ひとつひとつの形に厄除けとかお金に困らないようにとか、子どもへの愛情が込められています。昔、貧しくてお雛様を買えなかった人々が手仕事で作ったのが始まりと言われているそうです。

「ひな飾りと桃の花まつり」の別会場の写真も併せて載せておきますね。



こちらが「ハーブ庭園旅日記」さん。



そしてこちらが、恵林寺すぐそばの「信玄館」さん。

眼下一面を桃色に染め上げる桃源郷の春ももうすぐ。ぜひ、足を運んでくださいね。



2017年3月22日水曜日

春を閉じ込めたワインです



さてさて、お花見のシーズンも間近。満開の桜を見ると浮かれてしまうのは日本人の特性でしょうか。一斉に咲いて、潔く散る。命を燃やすように咲く可憐な花たちの強さや儚さが、きっと日本人の琴線に触れるのでしょう。私も桜は大好きです。
この季節になると次々と登場するのが桜味の食べ物たち。アイスクリームやジャム、チョコレート、ドーナツ、それから桜味のチーズなんていうのもあるみたいです。
そして山梨のイチオシ桜味、といえばやっぱりこれ。「白百合醸造」さんの春限定商品「さくらのワイン」です。全国のスーパーやデパート、またはインターネットでも売られているので知っている方も多いのではないかと思います。



きれいでしょ? 瓶の中に八重桜の花を閉じ込めてあるのですよ。ワインの中で優雅に舞う桜は見ているだけでもうっとりします。アルコール度数は6パーセント。甘くて飲みやすく、お酒が苦手な方でも楽しめるんじゃないかな。ふっと鼻に抜ける桜の香りが、春を感じさせてくれます。女性に人気のワインだから、プレゼントにもいいと思います。
桜味って結局何なの? だいたい桜に味なんかあるの? なんて、桜味食品にやや否定的な私でしたが、「さくらのワイン」は別格。この一本で春を満喫できます。
季節限定品ですので、お早めに。



2017年3月11日土曜日

300年前の風が吹く場所



閑静な住宅街の奥に突然現れる山門。甲府五山のひとつ、法泉寺に行ってきました。
この山門、二層構造になっていて上の部分は鐘楼です。大晦日には除夜の鐘が響くのでしょうね。
甲府五山とは、武田信玄が京都や鎌倉の五山制度にならい集めた5つの寺院のこと。歴史好きの方には五山をめぐるコースが人気です。





山門をくぐると、まるでここだけ時間が止まっているような錯覚さえ覚えます。この本堂は、なんと340年前に創建されたもの。静寂の中、圧倒的な存在感を放っておりました。






法泉寺は武田信武、武田勝頼のお墓があることでも知られています。亡くなった時期が200年以上も違う二人の墓所が並んでいました。それを見ていたら、気の遠くなるような時間がこの場所を通り過ぎていったんだと実感。本当に不思議な気分です。







ずっと変わらないもの。ここにはそれがあると感じました。心を自由に遊ばせてしばし空想の世界に佇むのも、旅の楽しみのひとつですね。




2017年3月5日日曜日

地球の真中はどこにある



これ、気になります。「ここが地球の真中です—宇宙人」の石碑。
「御坂農園グレープハウス」さんに行ったら「トイレはどこですか?」と聞いてください。トイレに向かう途中にあります、この不思議な石碑。
あまりにも謎だったので、お店の方にお話を伺ってきました。じつはこれ、創始者がシャレで作ったものだそうです。地球は丸いから、宇宙から見ればどこにいても真中。なるほど、それで宇宙人なんですね。
「自分の立つ場所が地球の真中だと考え、胸を張って自分の人生を歩んでいきなさい」
そんな教訓にも取れる宇宙人の言葉。なかなか深いと思いませんか。



さて、お店の方では蕾がたくさんついた桃の枝が販売されていました。
桃源郷が桃の花一色で染め上げられる季節ももうすぐ。楽しみです。



ぽっちゃりがブームです



「多肉女子」っていう言葉をご存知でしょうか。ぽっちゃり太めの女の子、ではありません。多肉植物をこよなく愛する女性のことです。
サボテンのように水分をたくさん含んだ肉厚の葉を持つ植物たちが、いま世界的にブームなんだそうです。確かに、ぷくぷくした感じが愛らしいですよね。一株で何万円もする希少品種もあるというのでびっくりです。日本産の多肉植物は色がきれいで品質が良く、海外でも人気だそうですよ。





小さな寄せ植えを色々揃えているのが「ハーブ庭園旅日記」さんのショップ。鉢もかわいくてインテリア小物という感覚です。プレゼントにもいいですね。
2週間に一度くらい水をやればいいとのことで、観葉植物をすぐに枯らす無精者でも大丈夫。さあ、今日からあなたも多肉女子。



自宅の庭でぶどう狩りをしよう



山梨県内のぶどう畑では、年明け早々から始まった枝の剪定作業がほぼ終わりました。
そう、この時期ならではの旅のお土産はぶどうの枝です。「白百合醸造」さんのお店の一角にも、こんなコーナーがありました。ご希望のお客様に剪定した枝を持ち帰っていただくのですって。
こうやって水に挿しておくとやがて葉が出て、それから根が出て、地植えすることができるんです。



実際にリピーターのお客様から「今年庭に植えました」なんてお話も聞くそうです。いいですよね、自宅の庭でぶどう狩りが楽しめるなんて。夢がふくらんじゃいます。



というわけで、私も一本いただいて毎日眺めております。緑の葉っぱがいつ出るかと、心待ちにしながら。変化があったら、ご報告しますね。
冬限定、心温まる山梨土産のお話でした。



にわかダムマニアになる



ドライブ日和のいいお天気。訪ねたのは昇仙峡の上流にある荒川ダムです。
山に囲まれた山梨県は、もともと水害多発地帯。とくに昭和34年の伊勢湾台風では90億円もの大きな被害を受けたそうです。災害を防ぐための河川改修が進められ、その一環としてこの荒川ダムが建設されました。ダム湖の名前は能泉湖といいます。



標高も高く、春の気配はまだ遠いこの辺りですが、観光客の姿もちらほら見かけました。空が青いほど、湖面の色もきれい。だからここ、冬の方がおすすめなんです。風もなく、水面は穏やか。赤い屋根の取水塔が鏡のような湖面に映っています。水鳥の声が響いていて、なんとものどかな情景です。



ちょっとわかりにくいですが、これは水をせき止める壁の写真。岩石や土砂を積み上げて作るロックフィル方式のダムだということが、一目瞭然です。工事に携わった方々の苦労がしのばれる光景ですよね。



上流に架かる荒川大橋と夕日に映える湖水にも感動。本当にきれいなダムです。ダムマニアならずとも一見の価値あり、だと思います。