2017年7月16日日曜日

筆を持つ人も、持たない人も



山梨県の工芸品で広く知られるものには甲州印伝や甲斐絹などがありますが、知る人ぞ知る隠れた名品「雨畑硯」(あめはたすずり)をご存知でしょうか。早川町雨畑地区に300年以上も前から伝わる伝統工芸品です。1784年、徳川家の10代将軍家治公に献上されたことでその名を馳せました。家治は文芸、書画の才能に長けた人だったということです。
墨をつかむような表面のほどよい質感が多くの書家に喜ばれ、最盛期には雨畑地区だけで90人もの職人がいたようです。写真はぶどうの彫刻が施された高級品。ぶどうというのが山梨らしいですね。



手のひらサイズのお手頃品もあります。お値段は4000円前後から。下段の商品が一枚目の写真にも写っていますので大きさの参考にしてくださいね。



どんなに小さいものでも裏側に作者の銘が刻まれています。こんなところに職人の誇りを感じますね。残念ながら、雨畑地区の職人はたった一人になってしまい、後継者もいないそうです。骨董品としても価値が上がるかもしれませんね。
武田神社前、「かぶとや」さんで見つけた雨畑硯。店の奥にひっそりと並んでいました。



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